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最近、食べているのに痩せてきました。それ「バセドウ病」かも

ページID:0001943 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 助教 原井 望

 バセドウ病は、甲状腺で作られる「甲状腺ホルモン」が過剰になる病気です。甲状腺ホルモンは体温を調節したり、脳や心臓、胃腸の働きを活性化しており、その量は「TSH」という物質の量に応じて一定の範囲に調節されています。しかし、バセドウ病ではTSHの働きに似た抗体(抗TSH受容体抗体)が体の中で作られ、甲状腺ホルモンが過剰に作られます。
 バセドウ病の症状を大きく分けると、甲状腺腫、甲状腺中毒症、眼症の3つに分類されます。甲状腺腫とは、甲状腺が腫れている状態です。バセドウ病の患者さんは、甲状腺が全体的に腫れることが多いです。
 甲状腺中毒症の症状には、脈拍が速くなる、汗を沢山かく、疲れやすい、ドキドキ、手足のふるえ、息切れ、体重減少、下痢などがあります。しかし、ご高齢の方は、これらの症状が出ず、食欲が低下したり、不整脈や心不全などの合併症から診断されるケースがあります。
 バセドウ病の眼症では、眼が突出する(眼球突出)、まぶたが腫れる(眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう))、眼が大きくなる(眼瞼後退)、物が二重にみえる(複視)、寄り眼が出来ない(輻輳(ふくそう)困難)といった症状が出ることがあります。診断は、血液検査と画像検査を組み合わせて総合的に行います。
 血液検査では、甲状腺ホルモン(FT3やFT4)が上昇し、TSHが低下します。先程述べた抗TSH受容体抗体、または刺激抗体が陽性となります。超音波検査では、甲状腺腫、甲状腺内の血流増加を認めます。シンチグラフィという画像検査では、甲状腺にびまん性取り込みと摂取率高値を認めます。
 治療は、薬物療法、手術療法、放射線療法(アイソトープ治療)があります。一般的に、まずは薬物療法を開始し、なかなか薬を中止できない方や薬の副作用が出てしまった方は手術療法やアイソトープ治療を選択することが多いです。生活習慣で気を付けることは、甲状腺ホルモンが高い時は、激しい運動を控えること、ストレスをためないこと(難しいですが)、しっかり休息をとること、禁煙をすることです。喫煙でバセドウ病が治りにくくなったり眼症が増悪するといわれています。
 中々自身では気付きにくい病気ですので、疑わしい症状がある場合は医療機関に相談してみてください。


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