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眼瞼下垂症について

ページID:0001965 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学附属病院形成外科 特任助教 大河内 裕美

眼瞼下垂症はまぶたが正常な位置より下がった状態のことをいいます。まぶたを開けた時の正常な位置は黒目の上方がわずかに隠れる程度と考えられています。軽度の眼瞼下垂であれば、日常生活に支障がないこともありますが、瞳孔が隠れるようになってくると、見えづらさや、視界の暗さを感じるようになります。
眼瞼下垂症になると、まぶたの開けにくさを前頭筋というおでこの筋肉の力で補うので、眉毛が上がり、おでこにしわができやすくなります。さらに、前頭筋は頭部の筋膜・筋肉とつながっているため、頭部全体や、後頭部から首のうしろや肩に部分にかけても緊張するので、これが頭痛や肩こりの原因になることもあります。また、まぶたが下がってくると交感神経が興奮するため、体の筋肉が緊張しやすくなったり、眠りが浅くなったり、体が疲れやすくなったりすることもあるといわれています。
一口に眼瞼下垂症といってもさまざまなしくみや原因がありますが、我々が最も多く扱う眼瞼下垂症は腱膜性眼瞼下垂で、まぶたを開ける筋肉の瞼板への移行部(腱膜)が脆弱化して伸びてしまった状態です。原因は加齢やまぶたをこすったり引っ張ったりする物理的刺激で、具体的には長期のコンタクトレンズの装用、花粉症、濃いアイメイク、眼科手術での開瞼器の使用などです。
治療は局所麻酔下の手術になります。まぶたの余っている皮膚を切除し、伸びてしまった腱膜を正しい位置に固定します。まぶたの手術を局所麻酔で行うのは怖いので、全身麻酔でやってほしいという方もおられますが、手術中に左右のまぶたの開きのバランスを確認しながら調整を行うので、全身麻酔下の眠った状態ではこれができないため、目の形や開き方の左右非対称が目立ってしまう可能性があります。
手術後は二重瞼になりますので、もともと一重まぶただった方はだいぶ印象が変わります。術直後から1〜2週間の間はまぶたの腫れや内出血斑などが目立つことがありますが、徐々に改善します。
術後の方の感想は、「よく見えるようになった」「視界が広がって明るくなった」「目の印象が変わった」「頭痛や肩こりが改善した」「なんか楽になった」などです。眼瞼下垂症の手術をすれば必ず頭痛や肩こりなどの体の不調が治るというわけではありませんが、もしかしたら自分は眼瞼下垂症かもしれないと気になる方はお気軽に当科にご相談ください。


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