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その痛み、本当に痛いのは「心」かも知れません

ページID:0001972 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院 麻酔科学講座 助教 猪野 博史

私は痛みの治療を専門としております。私の患者さんの中には心のストレスが原因となる体の痛み(心因性疼痛)を抱えている方が多くいらっしゃいます。今回は、そんな患者さんに必ずするお話をここでさせていただきます。
人間には「体」と「心」の二面があります。そして、それらをあなたが「意識」しています。心因性疼痛の原因となる心のストレスとは「抑圧された負の感情」のことを言います。「負の感情」とは、不安、悲しさ、怖さ、怒り、辛さ、悔しさなどのことです。「抑圧された」負の感情とは、これらの感情を他者に見せずに我慢したり、上司の命令なので逆らえなかったり、幼少期から良い子として育ち我慢することに慣れてしまっていたり、虐待を受け続け自分が辛いということに気づけない状態などが挙げられます。もしあなたの心に、このような状態が慢性的に続いたとすると、あなたは「辛い心の状態」に意識を向けることを無意識に避けようとします。そのために、「無意識」が「意識」をだます策略を始めます。「心」に意識を向けさせないために体の異常を起こさせ、「体」に意識を向けさせようとするのです。無意識の力で引き起こせる体の異常は主に3つあります。

  1. 筋肉を緊張させる(頭痛・肩こり、腰痛、膝痛、季肋部痛、四肢しびれなど)
  2. 自律神経のバランスを乱す(不眠・食欲不振・胃痛・口渇・ドライアイ・耳鳴り・便秘・下痢など)
  3. 免疫系を乱す(喘息・アトピー・じんましん・花粉症など)です。

これらの症状を自覚すると、あなたは何かの病気ではないかと「体」の心配をし始め、「心」へ意識を向ける時間が少なくなり、まんまと「無意識の策略」にはまってしまいます。病院で検査を受け、異常が無いと言われれば、「それでも何か異常があるはずだ」と別の病院に行き、内科、耳鼻科、婦人科、整形外科、脳神経外科…ドクターショッピングに奔走する方も少なくありません。
もしあなたが原因不明の痛みでお悩みでしたら、この記事のタイトルを思い出してみてください。無意識に心の問題から逃げようとしてはいませんか。もし心当たりがあるなら、体が痛いと感じるときほど、心の痛みに目を向けてください。そうすることで、「無意識の策略」は失敗に終わり、それだけで痛みが和らぐこともあります。


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