ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
パンくず トップページ > 子育て支援ポータルサイト > パパママヒント > 有識者コラム > 片目をかくして見てみましょう

本文

片目をかくして見てみましょう

ページID:0001991 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院 眼科 講師 櫻田 庸一

皆さんもご存知のとおり、動物の眼は2つあります。ヒトを含め霊長類の場合、この2つの眼が顔の前方に並んでついています。肉食動物に襲われる危険性があるため、広い範囲を見る必要がある草食動物とは異なり、ヒトは、眼が顔の前方に並んでついています。そのため、見える範囲(視野といいます)は狭いですが、両目で正面を見た場合、右眼と左眼の視野の大部分は重なっているので、特に正面で「モノ」がはっきりと見えます。
見える範囲の中心部分(中心視野といいます)が障害される病気として、加齢黄斑変性、中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症、黄斑円孔、黄斑前膜などが挙げられます。これらの病気は、眼球の後方に位置する網膜という組織の中心部分(黄斑といいます)が障害される病気です。網膜は、カメラに例えると、フィルムに相当する組織で、一旦障害されると再生はしないので、早期発見・早期治療が非常に重要です。最近では、これらの病気も初期の段階で手術や薬物などの治療を行えば、多くの方が、視力回復が得られ、視力を維持できることが分かっています。
これら黄斑の病気は、両眼同時に発症することは少なく、また両眼に発症することはあっても、時間差がある場合がほとんどです。冒頭でも述べましたが、ヒトの場合、右眼と左眼の視野の大部分は重なっているため、片方の眼だけが黄斑の病気にかかっても、もう片方の健康な眼がある程度補ってくれます。そのため、病気の初期段階では、病気にかかっていることに気づかずに生活してしまう場合があります。そして、病気が進行した段階で大学病院を受診される患者様が少なからずいらっしゃいます。進行した段階で受診され、治療を開始しても全く視力改善の見込みがないわけではありませんが、患者様が期待するような視力の回復はなかなか難しいというのが実情です。
まずは片目をかくして、「モノ」を見てみましょう。できれば、障子など縦と横の直線があるものを右眼、左眼交互に見て、セルフチェックするのが良いと思います。症状のない方も、1カ月に1度は確認してください。
右眼と左眼の見え方は、同じですか?歪みはないですか?真ん中は黒くありませんか?もし症状があることに気づいたら、近くの眼科に相談してみてください。


忍野村トップページ

育児教室を開催

忍野児童館「来夢」のお知らせ