ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
パンくず トップページ > 子育て支援ポータルサイト > パパママヒント > 有識者コラム > スポーツにおける頭部打撲 -二回目の脳震盪(のうしんとう)には気を付けよう-

本文

スポーツにおける頭部打撲 -二回目の脳震盪(のうしんとう)には気を付けよう-

ページID:0001998 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院 脳外科 准教授 川瀧 智之

平成24年度から中学校の武道必修化に伴い、スポーツにおける頭部外傷時の適切な対応が求められています。柔道の他、ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、スノーボードなどは、頭部打撲を負う機会の多いスポーツです。今回は、スポーツ時の頭部打撲の中で、特に「脳震盪(のうしんとう)には気をつけよう」というお話をしようと思います。脳震盪とは、頭部や顔面への衝撃によって生じる脳の機能障害です。スポーツ頭部外傷による脳振盪は、一過性の意識障害や物忘れだけでなく、頭痛や気分不快など幅広い症状を含んでいます。下記の表に挙げた項目のうち、1つでも該当する時には、脳振盪を疑います。
脳振盪の諸症状は、打撲後数時間の間生じるだけではなく、何週も持続する場合があります。また、スポーツ時の脳振盪の後に2回目の頭部外傷により、致死的な脳の障害をきたすものをセカンドインパクト症候群と呼ばれ、注目されています。セカンドインパクト症候群では、1回目は軽症の脳振盪の後、直後から1か月以内に2回目の頭部外傷を受け、重篤な状態におちいるものを言います。初回の打撲により脳に軽微な出血や腫れが生じている状況では、その後に続く頭部打撲がたとえ軽微であっても、重篤な脳損傷を生じる可能性が推定されています。死亡率は30~50パーセントと高く、生存しても何らかの脳の後遺症を残すと言われています。
したがって、スポーツの現場で明らかに脳振盪と診断した場合は、受傷当日は競技に復帰すべきではありません。その後も、自覚的・他覚的症状がなくなるまで安静にする必要があります。また、競技復帰には、徐々に負荷を加えて少しずつ(1週間以上かけて)復帰することが推奨されています。画像上、頭蓋内出血を認めた場合は、症状が消失しても競技復帰を安易に許可すべきではないとされています。脳震盪が疑われた場合は、専門医を受診し、必要時には頭部CTやMRIなどの検査をしておくと安心です。

脳震盪の症状

  1. 意識消失
  2. 精神活動・認知機能の障害
    • 記憶力障害(物忘れ)
    • 失見当識(時、人、場所が分からない)
    • 反応時間の低下(霧の中にいるような感じ)
    • 易刺激性(興奮しやすい)
  3. 平衡感覚障害
  4. 種々の自覚症状
    • 頭痛、めまい、耳鳴り、複視
    • 睡眠障害など

忍野村トップページ

育児教室を開催

忍野児童館「来夢」のお知らせ