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リウマチ膠原病(こうげんびょう)ってどんな病気?

ページID:0002008 更新日:2023年11月27日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院第3内科助教 中込大樹

関節リウマチは聞いたことがあるかたも多いと思いますが、膠原病(こうげんびょう)と聞くと、初めて聞いたというかた、または怖い病気という印象を持っているかたがいると思います。本日は私たちが診療している病気を紹介させていただきます。
まず、関節リウマチですが、リウマチも膠原病の一種です。体の中には、感染症などの外敵と戦ってくれる免疫細胞が存在します。それが何かの引き金により、外敵ではなく自分を攻撃してしまう免疫細胞が作られてしまうことがあります。その自分を攻撃してしまう免疫細胞によって引き起こされる病気の一種が膠原病です。リウマチはその中でも特に関節がターゲットとなる病気です。リウマチ患者さんの数は他の膠原病よりも突出しており、100~200人に1人と言われています。関節の中にある滑膜に炎症を起こし、それらが増殖することによって関節の腫れ、痛みが生じます。その炎症が持続することによって、関節の骨もダメージを受け、無治療のまま放置したり、治療を受けていてもそれが不十分な場合は関節の変形をきたします。関節の変形は通常不可逆的ですので、生活の質の低下につながります。リウマチ診療はここ数年で劇的に進歩しております。関節エコーによる早期診断と的確な治療によって、半年で何も無かった状態まで回復させることも可能な場合があります。
次に、一般的に膠原病と呼ばれる病気ですが、最も有名なものは全身性エリテマトーデス(SLE)です。SLEは若い女性に特に多い病気で、免疫細胞のターゲットは多臓器にわたり、症状は皮膚、腎臓、神経、関節、血液など患者さんによって様々です。新薬が様々出てきており、従来の治療薬であるステロイドを可能な限り少なくして副作用を軽減しながら治療できる時代になってきています。他には、皮膚や筋肉に炎症を起こす皮膚筋炎・多発性筋炎、皮膚が硬くなる強皮症、涙腺や唾液腺に炎症を起こし乾燥症状を起こすシェーグレン症候群等々まだいくつもあります。
また、あまり知られておりませんが意外に患者さんが多い膠原病に血管炎があります。文字通り血管に炎症を起こす膠原病ですが、大きさで大血管炎、中血管炎、小血管炎に分けられます。小児期の有名な病気で川崎病がありますが、これは中血管炎に分類されます。小血管炎の中にANCA関連血管炎というものがあります。症状は熱、腎不全、呼吸不全、皮疹、神経障害が多いです。ANCA関連血管炎は高齢者に多く、高齢化を迎えた日本では患者さんの数が右肩上がりで増えております。
リウマチ膠原病領域の治療は確実に進歩しており、早期診断・早期治療が望まれます。ただし、専門性が高い病気であるため診断が難しいことがあります。原因不明の熱、体重減少、関節痛、腎障害等でお困りのかたがいらっしゃいましたら、山梨大学医学部附属病院リウマチ膠原病センターまたは第3内科の受診もご検討ください。


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