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悪性黒色腫に対する抗がん剤治療の進歩

ページID:0004840 更新日:2024年2月1日更新 印刷ページ表示

山梨大学医学部附属病院 皮膚科学講座 助教 武藤 容典

 皮膚がんには様々な種類があり、また全身のあらゆる部位に発生します。当科では全身/局所麻酔下の手術や抗がん剤治療、放射線治療、術後再発のフォローアップなど、皮膚がんのトータルケアに努めています。
 皮膚がんに対しては従来有効な抗がん剤治療がほとんどありませんでしたが、近年悪性黒色腫に対して有効な抗がん剤が相次いで使用可能になり、進行した状態でも根治を望むことができるようになってきました。悪性黒色腫とはいわゆるホクロのがんであり、高頻度に全身に転移するため最も予後不良な皮膚がんの1つです。
 悪性黒色腫に対する新規薬剤は大きく2種類あり、1つ目は2018年のノーベル賞の受賞で注目された免疫チェックポイント阻害薬です。ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブの3つの薬剤が悪性黒色腫に対して適応があり、海外ではそのほかにも多くの薬剤がすでに臨床で使用されていたり、治験で使用されていたりしています。免疫チェックポイント阻害薬は数週間ごとの点滴での治療です。また、2つ目は分子標的薬であり、これは全ての悪性黒色腫の患者に投与することはできませんが、患者から抽出した腫瘍の遺伝子を解析した上で投与可能かどうかを判断します。分子標的薬は内服薬であり、免疫チェックポイント阻害薬よりも速効性が期待できます。当科では免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬のいずれも使用可能です。また、このような新規薬剤では全身の様々な臓器に種々の副作用が出現しうるのですが、当院の腫瘍センターを通じて他診療科と密に連携し、副作用の早期発見、迅速な治療に努めています。
 全身の黒や茶色のシミが急に拡大したり、皮疹が隆起してきたりする場合は皮膚がんの可能性が否定できません。特に足の裏の悪性黒色腫は気づかれにくいです。また、山梨県は日照時間が日本一長いため、顔面などの露光部の紫外線による皮膚がんが多いです。当院は山梨県内の皮膚科クリニック・病院と密に連携しており、皮膚がんかどうかご不安がおありの場合は、まずはご自宅近くの医療機関を受診していただくことをお勧めします。


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