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小児外科の診療

ページID:0008751 更新日:2025年9月1日更新 印刷ページ表示

山梨大学小児外科 小児外科診療科長・学部内講師 蓮田 憲夫

 小児外科は、あかちゃんから中学生までの小児の外科診療全般を担当する診療科です。

 当科で対象とする疾患は、生まれつきの疾患、成長過程において明らかになる疾患、腫瘍性疾患・小児がん、小児から成人まで共通に認められる疾患など様々です。

 特徴としては、特定の臓器を対象としないことです。対象とする領域は、頭頚部領域、胸部領域、腹部領域、体表領域と幅広く対応します。

 小児では、自身の体調の変化をうまく伝えられないことがしばしばあります。例えば、おなかが痛くても、腹痛があることを伝えられないことはよくあることです。食欲不振、不機嫌、活気がないなどの様々な症状から診断をすすめる必要があります。

 診療をすすめる上で、ご家族の『目』はおおいに助けになります。具合の悪いときに、いつから、どんな症状があったのか、普段と何が違ったのか一緒に見てゆきましょう。

 ご家族の『目』が役立つ疾患の一つにソケイヘルニアがあります。小児の外科疾患で最も頻度の高い疾患です。典型的には足の付け根が膨らむ、陰嚢が腫れるなどの症状を呈します。しばらくすると症状が消えてしまうことがある一方で、膨らんだ部分が固く腫れ、赤黒くなったり、不機嫌になったり、繰り返し嘔吐することもあります。脱出した臓器が臓器障害をきたしことを疑う所見で、緊急手術を要する可能性があります。小児で食欲不振、機嫌が悪い、繰り返し嘔吐するなどの症状がある場合、必ず足の付け根、男の子では陰嚢まで見るようにしてください。

 小児に行う外科手術は、成人の臓器別診療科で行っている外科手術とは異なる部分がしばしばあります。小児には、小児に最適な手術を行う必要があります。当科では、小児医療に専従する医師が外科診療を行っています。

 手術の痛みの軽減と低侵襲を目指し鏡視下手術を積極的にすすめています。症例に応じ院内の様々な診療科や他施設の小児外科と連携し、安全で確実な医療を目標に診療を行っています。新生児領域、小児救急領域の外科診療にも対応しています。

 山梨大学附属病院は小児がん診療を行う山梨県内唯一の【地域の小児がん診療を行う連携病院】です。小児外科は、主として胸腹部領域の小児固形がんの生検手術・切除手術、小児良性腫瘍の切除手術のほか、化学療法を要する小児がん患者に対する長期留置型中心静脈カテーテルの挿入手術も行っています。

企画 一般社団法人 里仁会(TEL:055-273-5475)


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