本文
社会医学って何?~医療と社会をつなぐ視点~
山梨大学医学部社会医学講座
特任助教 花輪 大介
「社会医学」という言葉を聞いたことがありますか?聞きなれない言葉かもしれません。簡単に言うと、病院の中だけで健康や病気を考えるのではなく、「暮らしや地域の中でどうすれば病気を防ぎ、元気に過ごせる人を増やせるか」を考える領域です。病院での医療が一人ひとりの治療を担うなら、社会医学は"みんなの健康”を支える土台づくりを目指して活動をします。
健康は、食事や運動などの個人の生活習慣だけで決まるわけではありません。働き方や通勤時間、睡眠、家族の介護、経済的な余裕、地域のつながり、情報が届きやすいかどうか
こうした個人を取り巻く環境によって、健康やその人の生活の質(QOL)が変わっていきます。多くの医療現場では、「生活習慣を改善しましょう」と呼びかけますが、個人の努力だけでは限界があるのが実情です。そこで社会医学では、無理なく続けられる仕組みや支援をどう整えるかを考えます。企業やNPO、自治体など様々な組織と協力して、個人だけでなく、地域社会全体で健康になれる方法を探っています。
そんな社会医学の活動の一つとして、私たち山梨大学社会医学講座が中心となり中央市、多くの企業、研究機関と共同で新しい研究・健康に関する事業を立ち上げました。2024年からスタートした「山梨マルチオミックスコホート研究」の規模を拡大し、一人ひとりの健康状態を調査し、地域全体で健康になるための調査を行います。
具体的には、日々の生活習慣(歩数や睡眠など)と、定期的な健康チェック(採血・問診など)の情報を組み合わせ、健診の結果だけでは見えにくい体の変化を、より立体的に捉えることを目指します。スマートウォッチや健康管理アプリなど新しい技術も活用しながら、無理なく続けられる健康づくりのヒントを探し、地域の健康づくりや今後の取り組みに生かせる知見を積み重ねていきたいと考えています。集まった情報は統計としてまとめ、地域に役立つ形で還元していきます。将来的には、保健事業や健診の工夫にもつなげていきたいと考えています。
なお本研究は現在、実施に向けて準備を進めています。詳細が決まり次第、山梨大学医学部 社会医学講座のホームページや各自治体の広報などの公式な媒体でご案内します。山梨が起点となって全国へ広がっていく新しい健康づくりを、皆様と一緒に盛り上げていけることを願っております。
企画 一般社団法人 里仁会(Tel:055-273-5475)








