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パーキンソン病は、もはや珍しい病気ではありません― 身近になった病気と進歩する治療 ―

ページID:0009976 更新日:2026年8月1日更新 印刷ページ表示

山梨大学大学院 総合研究部 医学域 神経内科学講座 准教授 樽野 陽亮

  パーキンソン病は国の指定難病の一つですが、その中でも患者数の多い病気です。日本には約20万人の患者さんがいると推計され、65歳以上では約100人に1人が患っているとされます。高齢化などを背景に世界中で患者数が急増しており、「パーキンソン・パンデミック」と呼ばれることもあります(感染症のように人から人へうつる病気ではありません)。

 病名は、1817年にこの病気を「振戦麻痺」として初めて詳しく報告した英国の医師ジェームズ・パーキンソンに由来します。脳内で体の動きを調節するドパミンという物質が減少することで、さまざまな症状が現れます。

  最初の気づきとして多いのは、片方の手足の震え、動作が遅くなる、歩幅が小さくなる、片腕を振らずに歩く、字や声が小さくなるといった変化です。肩や腰の痛み、便秘、嗅覚低下、睡眠中に大声を出したり手足を動かしたりすることが先に現れる場合もあります。「年齢のせい」と思っていた変化が、診断の手掛かりになることがあります。
 治療の中心は薬ですが、近年は選択肢が大きく広がりました。病気が進み、薬の効果が短くなって一日に何度も内服する必要が生じた場合には、小型ポンプを用いて薬を持続的に投与する治療があります。また、脳に細い電極を留置し、電気刺激によって症状を調整する脳深部刺激療法もあります。

 薬が効きにくい強い震えには、頭蓋骨を開けず、MRIで確認しながら超音波を一点に集中させて震えを抑える集束超音波治療を受けられる場合があります。さらに、iPS細胞から作ったドパミン神経のもとになる細胞を脳内に移植する治療も、新たな選択肢として期待されています。

 特に、ポンプによる持続投薬、脳深部刺激療法、集束超音波治療については、症状、年齢、薬への反応や全身状態などを踏まえた専門的な判断が必要です。現在の治療で生活しにくくなった場合や、こうした治療について詳しく知りたい場合には、山梨大学医学部附属病院をはじめとするパーキンソン病の専門施設へご相談ください。適切な時期に一人ひとりに合った治療を組み合わせることで、長く自分らしい生活を続けられる可能性があります。

 企画 一般社団法人 里仁会(Tel:055-273-5475)


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