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農業者年金
農業者に年金などの給付を行うことにより、農業者の老後の生活の安定および福祉の向上を図るとともに、農業の担い手を確保することを目的とした制度です。
納めた保険料とその運用実績によって金額が決まる積立方式ですので、加入者・受給者の数に左右されにくい安定した制度です。
また、加入者や受給者が死亡した場合でも、80歳までに受け取るはずだった農業者年金が遺族に支給されます。
加入できるかた
次のすべての条件を満たすかたが対象となります。
- 20歳以上60歳未満のかた
- 年間60日以上農業に従事するかた
- 国民年金の第1号被保険者であるかた
(保険料納付免除者は対象外) - 国民年金基金に加入していないかた
保険料について
保険料は、月額20,000円を基本とし、67,000円まで1,000円単位で設定できます。また、それぞれの経済的な状況や老後の設計などに応じて自由に設定でき、いつでも見直すことができます。
支払った保険料は、全額社会保険料控除の対象となります。また、保険料の運用益も非課税であり、将来受給する年金も公的年金等控除が適用されます。
保険料の国庫助成
認定農業者など一定の要件を備えた農業の担い手のかたは、保険料(月額20,000円)の2割、3割または5割の政策支援(保険料の国庫補助)を受けることができます。
一定の要件は、次のいずれかの条件を満たすかたです。
- 60歳までに保険料納付期間が20年以上見込まれるかた
- 必要経費などを控除した後の農業所得が900万円以下であるかた
- 下表の区分1~5のいずれかに該当するかた
区分 | 必要な要件 | 国庫補助額 | |
---|---|---|---|
35歳未満 | 35歳以上 | ||
1. | 認定農業者で青色申告者 | 10,000円 (5割) |
6,000円 (3割) |
2. | 認定就農者で青色申告者 | 10,000円 (5割) |
6,000円 (3割) |
3. | 区分1.または2.のかたと家族経営者協定を締結し経営に参画している配偶者または後継者 | 10,000円 (5割) |
6,000円 (3割) |
4. | 認定農業者または青色申告者のいずれか一方を満たすかたで、3年以内に両方を満たすことを約束したかた | 6,000円 (3割) |
4,000円 (2割) |
5. | 35歳までに(25歳未満の場合は10年以内)に区分1.になることを約束した後継者 | 6,000円 (3割) |
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給付の種類
農業者年金に加入していたかたは、次の3つの年金を受けることができます。
農業者老齢年金
納めた保険料とその運用収入をもとに支給される年金です。65歳から、生涯にわたって支給されます。
支給開始時期を60歳まで早めることができますが、その場合受給期間が長くなるため年金額は少なくなります。
特例付加年金
加入した期間の国庫補助額とその運用収入をもとに支給される年金です。65歳に達し、農業従事者でなくなったときから、生涯にわたって支給されます。
農業従事者でなくなったかたは、支給開始時期を60歳まで早めることができますが、その場合受給期間が長くなるため年金額は少なくなります。
死亡一時金
加入者が80歳未満で死亡した場合、納めた保険料とその運用収入をもとに、ご遺族に支給される年金です。
死亡一時金の金額は、死亡した月の翌月から80歳に達するまで、農業者老齢年金を支給する場合の支給総額の現在の価値に相当する金額になります。