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うつ病は「こころのカゼ」
WHO(世界保健機構)の疫学調査によると、うつ病の有病率は人口の3パーセント~5パーセントといわれています。また、最近はうつ病になる人が増えており、特に中高年の間でうつ病による自殺が目立っています。
うつ病は誰でもかかる可能性のある「カゼ」のようなものだと言われています。適切な治療をすることで、確実に改善しますので、早めに対処することが何よりも大切です。
うつ病の症状
- 嫌なことやつらいことがあって気分が落ち込み、何をやっても楽しくないし何もやる気が起きない。
このようなことは誰にでも起こりえますが、大抵は一時的なものです。
ところが、こうした状態(抑うつ)が2週間以上続いてなかなか回復せず、日常生活に支障が出たり、本人が非常につらい思いをするようになる場合があります。これがうつ病です。
憂鬱な気分が続き、眠りが浅い・体調が悪い状況が続いているが、身体的な異常が見つからなかったり、なかなか回復しないなどのときには一度こころの専門医を受診することをお勧めします。こころの専門医としては、精神科・心療内科が専門です。
なお、はじめて病院に行くときは、できれば家族のかたもついていくようにしてください。家族のかたにも話をうかがい、治療に協力していただくことが、病気の診断や治療に大きく役立つからです。
「うつ」の自己チェック
- ほとんど1日中、憂鬱な気分または沈んだ気持ちでいる。
- 何事にも興味がわかない。いつも楽しめていたことが楽しめない。
[1.][2.]のどちらかに当てはまる。
- 毎日のように、食欲が低下、または増加する。
もしくは、自分では意識しないうちに、体重が減少、または増加する。
(例:1か月間に体重の5パーセントの増減) - 毎晩のように睡眠に問題がある。
(寝つきが悪い、真夜中・早朝に目が覚める、寝すぎてしまうなど) - 普段に比べて、スムーズに話したり動いたりしにくい。
もしくは、イライラして落ち着きがなく、静かに座っていられない。 - 毎日のように、疲れや気力のなさを感じる。
- 自分に価値がないと感じたり、罪の意識を感じる。
- 集中したり、決断することが難しい。
- 生きていたくないと繰り返し考えてします。
[1.]~[9.]のうち、5項目以上に当てはまる。
このような気分がからだの不調が2週間以上続いているようでしたら、「うつ」の可能性が考えられます。
うつ病かな?と思う人への接しかた
こころのケアが必要な状態でも、本人に自覚がなかったり一人で抱え込んでしまっていることもあります。
「最近、何かおかしいな?」と感じる人が身近にいたら、早いうちに適切な態度で言葉をかけてあげましょう。
周りの人の対処法
- まず休ませる
- 無理に酒席などに誘わない
- 「頑張って」は禁句
- 相談内容は秘密にする
- 急いで結論を出さないように助言する
- 専門機関に相談するように勧める
ひとりで悩まず電話をしてみてください。
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