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構成資産番号:20 八番霊場 菖蒲池(しょうぶいけ)
平成25年6月に富士山が世界遺産として登録され、忍野八海は富士山の価値を構成する資産となっています。
構成資産番号:20 八番霊場 菖蒲池(しょうぶいけ)
菖蒲池は鏡池の東側にあり、大人の背丈ほどに成長したショウブ(サトイモ科)と外来種であるキショウブ(アヤメ科)等の植物がみられます。奥には八海菖蒲池公園があります。
住所 | 山梨県南都留郡忍野村忍草444-2 |
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面積 | 281平方メートル |
水温 | 約12.5度~15度(年平均) |
湧水量 | 月によって消長あり |
水深 | 0.5メートル |
菖蒲池にまつわる伝説
伝説によると、この菖蒲を身体に巻くと病気が治るといわれています。昔、この池の近くで暮らす若夫婦がいて、夫が肺病にかかってしまいました。妻はできるだけの力を尽くして食事や医薬の世話をしましたが、夫の病は重くなるばかりでした。妻はもう神仏に助けを求める以外にないと考え、この池の水を浴びて身を清め、一心不乱に祈願しました。すると、ちょうど37日目に「池の菖蒲をとって夫の身に巻けば、夫を苦しめている病魔は必ず退散する」という神のお告げを聞き、そのとおりにすると1か月もたたないうちに快復しました。
石碑とその由来
忍野八海の各池には、石碑が設置されています。
その石碑は忍野八海(元八湖)再興の一環として作られたとされ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
菖蒲池 竜王名 優鉢羅竜王(ウハラカりゅうおう)
「優鉢羅」とは、サンスクリット語で、「青蓮華」いう意味です。青蓮華池に住んで、人々に安らぎを与える竜王です。
元八湖和歌版木
忍野八海の北に位置する東円寺には、天保14年(1843年)、元八湖再興の際に作られたものとされる版木が今も所蔵されています。
この版木には、石碑と同じ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
※八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。
東円寺所蔵【元八湖和歌版木】