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構成資産番号:17 五番霊場 湧池(わくいけ)
平成25年6月に富士山が世界遺産として登録され、忍野八海は富士山の価値を構成する資産となっています。
構成資産番号:17 五番霊場 湧池(わくいけ)
忍野八海の中で一番賑やかな通りに面する池です。
土産物屋が立ち並び、向かいには水車小屋があります。湧水量も豊富で、揺れ動く水面や深い水底の景観が美しく、忍野八海を代表する池です。
住所 | 山梨県南都留郡忍野村忍草361-2 |
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面積 | 152平方メートル |
水温 | 約12度~13度(年平均) |
湧水量 | 2.2立方メートル毎秒 |
水深 | 4メートル |
湧池にまつわる伝説
昔、富士山が噴火した際、人々は焼け付くような熱のため大変苦しみました。そしてのどの渇きや人家の火事、また野火を消すためにと、人々が水を求めて叫ぶ声が天地の間に広がりました。このとき、天の一声で「わたしを信じなさい。そして、永久にわたしをうやまうならば、私がみんなに水をあたえよう」という大変美しい声が聞こえました。この声の主が木花開耶姫命と言われています。その後まもなく溶岩の間から水が湧き出し池となりました。
石碑とその由来
忍野八海の各池には、石碑が設置されています。
その石碑は忍野八海(元八湖)再興の一環として作られたとされ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
湧池 竜王名 徳叉迦竜王(タクサカりゅうおう)
「徳叉迦」とは、サンスクリット語で、「視毒」とか「能損害者」いう意味です。ひとたび怒りて凝視すれば人畜は直ちに命終するといわれている竜王です。
元八湖和歌版木
忍野八海の北に位置する東円寺には、天保14年(1843年)、元八湖再興の際に作られたものとされる版木が今も所蔵されています。
この版木には、石碑と同じ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
※八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。
東円寺所蔵【元八湖和歌版木】