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構成資産番号:18 六番霊場 濁池(にごりいけ)
平成25年6月に富士山が世界遺産として登録され、忍野八海は富士山の価値を構成する資産となっています。
構成資産番号:18 六番霊場 濁池(にごりいけ)
湧池に隣接し、阿原川と合流しています。名前は濁池ですが、今では井戸水が流入しているため濁っていません。池底からごく少量ですが湧水が確認されています。
住所 | 山梨県南都留郡忍野村忍草269-2 |
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面積 | 36平方メートル |
水温 | 約12度~13度(年平均) |
湧水量 | 0.041立方メートル毎秒 |
水深 | 0.5メートル |
濁池にまつわる伝説
もともと澄んだ水であった池で、村人の飲料水となっていましたが、ある日、見るからに乞食のようなみすぼらしい行者がやってきて、この池の地主の軒先に立ち止まり、一杯の飲み水を求めました。しかし、その家の老婆がただの乞食と思って無愛想に断った途端、池は急に濁ってしまったという伝説があります。しかし、その濁り水を器にくみ取ると、不思議なことに澄んだ水に変わったといわれています。
石碑とその由来
忍野八海の各池には、石碑が設置されています。
その石碑は忍野八海(元八湖)再興の一環として作られたとされ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
(お釜池・濁池・鏡池の石碑は消失していたため平成15年に新しい石碑を作成・設置しています。)
濁池 竜王名 阿那婆達多竜王(アナバダッタりゅうおう)
「阿那婆達多」とは、サンスクリット語で「無熱悩」いう意味です。馬形の竜王で雪山の頂きの池に住み、四大河を分出し、大地に恵をもたらすという、最も徳の高いといわれる竜王です。
元八湖和歌版木
忍野八海の北に位置する東円寺には、天保14年(1843年)、元八湖再興の際に作られたものとされる版木が今も所蔵されています。
この版木には、石碑と同じ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
※八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。
東円寺所蔵【元八湖和歌版木】