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構成資産番号:13 一番霊場 出口池(でぐちいけ)
平成25年6月に富士山が世界遺産として登録され、忍野八海は富士山の価値を構成する資産となっています。
構成資産番号:13 一番霊場 出口池(でぐちいけ)
忍野八海の中で一つだけ離れた場所にあり、最も面積が広い池です。
後方はすぐ山となり、ちょうど池を見下ろす林のなかに出口稲荷大明神の神社があります。周りには売店などもなく、観光客の数もぐっと少ないので、最も自然的な姿を見ることができます。
住所 | 山梨県南都留郡忍野村忍草3483-2 |
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面積 | 1,467平方メートル |
水温 | 約10度~13.5度(年平均) |
湧水量 | 0.265立方メートル毎秒 |
水深 | 0.5メートル |
出口池にまつわる伝説
この池の湧水は「清浄な霊水」と呼ばれ、富士登山を目指す行者たちはこの水で穢(けが)れを祓いました。そして、この水を携えることで無事に登山ができるという昔からの言い伝えがあり、堅く信じられてきました。このような理由から、別名を精進池といいます。
石碑とその由来
忍野八海の各池には、石碑が設置されています。
その石碑は忍野八海(元八湖)再興の一環として作られたとされ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
出口池 竜王名 難陀竜王(ナンダりゅうおう)
「難陀」とは、サンスクリット語で、「歓喜」という意味です。常に国を守り、適当な時節に雨を降らして百姓を喜ばせる竜王のことです。
元八湖和歌版木
忍野八海の北に位置する東円寺には、天保14年(1843年)、元八湖再興の際に作られたものとされる版木が今も所蔵されています。
この版木には、石碑と同じ、池の名称、禊ぎの順番、竜王名、和歌などが刻まれています。
※八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。
東円寺所蔵【元八湖和歌版木】